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2024.06.23

拡大床の適応年齢と期間はどのくらいですか?

拡大床(床矯正)は、永久歯が綺麗に並ぶためにスペースを確保する目的で使用される装置です。拡大床を成長期に使用すると、抜歯のリスクを抑えつつ歯並びの改善を目指せます。

本コラムでは、拡大床の適応年齢と期間について解説いたします。お子さまの矯正治療を検討される場合はぜひご参考にしてください。

拡大床の仕組みと特徴

拡大床とは、歯の位置を外側に移動させ、歯列にスペースを作るための矯正装置です。入れ歯に似たマウスピース型の装置を装着し、徐々に歯を頬側へ移動させます。拡大床のメリットは、装置を自由に取り外せる点と、抜歯をせずに歯が生えるためのスペースを確保できる点です。

言い換えれば永久歯が完全に萌出する前にできる治療です。

拡大床だけではすべての歯並びを矯正することはできません。しかし、柔軟性のある成長期に拡大床を使用し顎の骨の成長を促すことで、歯並びや咬み合わせのコントロールが期待できます。将来的に抜歯をすることを防ぐ可能性があがります。

また、拡大床は歯を外側に移動させる装置ですが、顎の骨が動くわけではありません。歯の移動だけでは不十分で、顎の骨を広げる必要がある場合は、急速拡大装置を使用して顎の骨を拡大するといった方法もあります。

顎の骨を拡大する際は骨の成長を利用します。上顎にある正中口蓋縫合と呼ばれる縫合線(骨の継ぎ目)は、思春期まで癒合しません。この縫合線に装置で力を加えて隙間を開け、骨の成長に合わせて顎の骨を拡大する仕組みです。

拡大床を始めるならいつ?適応年齢と期間

拡大床による矯正治療は、顎の骨の成長が活発で、永久歯の生え揃っていない時期に始めると効果的です。乳歯と永久歯が混在する5歳頃から治療を開始するのが望ましいでしょう。ただし、永久歯の生え替わりや成長には個人差があるため、お子さまによって拡大床の治療を開始する時期は異なります。

当院では、5〜13歳のお子さまの矯正治療で拡大床を使用しております。永久歯の生え方や、歯が生えるスペースにお悩みの方は、ぜひ一度当院までご相談ください。
拡大床を使用できない場合は別の装置にて対応致しますのでご相談ください。

<患者さんからよくいただく質問>
Q.1 拡大床治療に痛みはありますか?
A.1 拡大床は痛みの少ない矯正方法とされていますが、痛みの感じ方には個人差があります。装置を拡大した時や、歯茎などに当たることで痛みを感じる場合がありますが、基本的には1~2日で改善されます。
Q.2 拡大床のデメリットはありますか?
A.2 拡大床は取り外しができる装置のため、自己管理が必要となります。また、装着時間を守らなかった場合は効果が得られるまで時間がかかります。歯科医師の指示に従う必要があります。
Q.3 学校での装着は必要ですか?
A.3 自分自身で着脱が可能で、さらに、管理ができる場合は学校でも装着し、使用時間を長くすることで効果が期待できます。ただし、管理が難しい場合は自宅での使用を主とします。
生活環境や管理状態で個人差がありますので、ご相談ください。
Q.4 拡大床は1つの装置で治療が完了しますか?
A.4 始める時期にもよりますが、基本的には成長期に使用しますので顎の成長や永久歯の萌出により、途中で作り変えが必要になります。
Q.5 使用している間に痛みが出た場合の対処方法はありますか?
A.5 装着時に痛みがある場合は我慢せずすぐに歯科医師に確認して貰う必要があります。痛みがあり、数日装着しないまま過ごすことで今まで装着したいた装置が入らなく鳴ることがあります。そのままにせず、なるべく早く受診することをおすすめ致します。
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